飛騨高地 奥金剛(1616m)、金剛堂山(中金剛)(1650m)、前金剛(1637.9m) 2011年11月4日
所要時間
6:12 東俣登山口(1513.4m三角点付近)−−6:51 奥金剛−−7:06 中金剛 7:09−−7:19 前金剛 7:23−−7:34 中金剛−−7:49 奥金剛−−8:22 東俣登山口
概要
東俣口から往復。標高1250mの峠が登山口かと思ったら車道が1513.4m三角点峰東側を乗り越えており予想外に歩きが短くなった。登山道はよく整備されていて藪皆無。3山とも森林限界を超えて展望良好。前金剛には1等三角点あり
砺波平野に面した富山/飛騨国境付近の山はあまり登ったことはないが、白木峰や金剛堂山など有名どころの山がいくつかある。週末に登るには遠い場所であるが今回の「自主4連休」なら足を伸ばすのにちょうどいい。白木峰は結構な標高まで車で上がれるので、1日で白木峰と金剛堂山の両方が登れそうだ。まずは労力がかかる金剛堂山に先に登り、体力と時間を見て白木峰に登るか考えればいいだろう。
ネットで調べると金剛堂山の登山口はスノーバレー利賀スキー場近くの栃谷がメインらしいが、地形図を見ると南の方にある東俣林道の峠から破線が書かれており、こちらの方が登り始めの標高が高く労力が削減できる。ただ、そこまでマイカーで入れるのか不明で、ある程度ネットで調べてみたがそこまで車で入って登った記録は発見できなかった。とりあえず行ってみてゲートで入れなければ栃谷登山口に移動して登ることにして現場に向かった。
東俣林道の峠 | 東俣登山口に至る林道入口 |
案内図 |
国道41号線経由で富山市に突入、西に迂回して国道471号線に入る。この国道は林道レベルの区間もあって対向車のすれ違いが怖いところだ。山間部を通過して利賀村の谷間の平坦地を通過、栃谷登山口はスキー場の少し奥で道端に避難小屋があるので分かったがここはまず通過。この先で東俣登山口まで行けないようならここまで戻ってくることになる。その先で通行止めの案内標識があったがどこまで入れるのか具体的な案内がなく、とにかく行ってみるしかない。やがてダートになるが荒れた感じはなく川沿いのなだらかな林道が続く。東俣へはどこかで左折する必要があるが、それらしき分岐が登場したところで入ってみたが、少し進むと荒れ放題であった。元に戻って再び進んでいくと道なり直進方向(左カーブ)に「東俣」の文字が。よかったぁ。ここから林道は高度を上げ始め、一時的に舗装化された区間が登場、峠近くで再びダートとなり東屋のある東俣登山口に到着。辺りはすっかり暗くなってしまった。
1513.4m三角点峰からなおも北上する林道 | 左記写真の右側が登山口 |
ここが登山口で標識の方向には登山道ではなく林道が上がっている。とりあえず行ける所まで入ってみようと車を乗り入れる。道は荒れてはいないのだが、雨による水流で轍に沿って溝が掘れないよう、短い間隔で林道を横断するように盛り上がりがある。これが普通車だと相当速度を落とさないと衝撃が凄い。ほとんど1速から2速に落として走行する。傾斜は最初だけきついがその後は緩やか、周囲が真っ暗で地形がさっぱりわからないままとにかく進む。やがて平坦地に出て正面はチェーンがかかった林道が延び、案内標識は右を示して登山口としていた。おまけ情報でこの奥約100mが登山口しい。現在位置がさっぱりわからず、ハンディーGPSの電源を入れて緯度経度を測定、パソコンの地図で照合すると1513.4m三角点峰ではないか! 予定よりえらく車で高度と距離が稼げてしまった。これなら明日は短時間で金剛堂山を往復でき、白木峰も余裕を持って登れそうだ。当たり前だがこんな山奥に夜中に入ってくる車は皆無で静かに寝られた。
登山口 | 登山口から見た山頂方向 |
登山口付近から見た北アルプス(クリックで拡大) |
翌朝、そこそこ冷えたがガラスの水滴が凍ることはなく、この時期で標高1500mとしては異常に暖かいと言えよう。飯を食って防寒着を着込んだまま出発。ゆるく下って僅かに林道を進むと左に稜線が伸び、そこに明瞭な刈り払いされた登山道があった。ああ、よかった。こちらのコースは荒れていたらどうしようと思っていたが、全くその心配はなさそうだ。林道の続きでは東側の樹林が開け、意外な展望が。この付近の山は登ったことがないのでどんな山がどのように見えるのか全く予備知識はなく、北アは立山に隠れて見えないとばかり考えていたが、実際は右手から木曾御嶽、乗鞍岳、槍穂とそれに重なって笠ヶ岳、黒部五郎岳、薬師岳、立山、剣岳と北アほぼ全てが丸見えであった。
最初はブナ林 | 森林限界を抜ける |
白山方面の展望 | |
もう少し登ったところから白山方面の展望 | |
白山拡大 |
標高は既に1500mを越えており、あと僅かで森林限界だ。1527m峰に至ればほぼ森林限界突破で気持ちのいい稜線歩きとなる。北アでも森林限界は2400mくらいはあると思うが、なぜこの標高で森林限界なのか。立山なんかより気象が厳しいとも思えないが、地質か何かの影響か? 理由は不明だが低い位置で展望が開けるのはうれしい限りだ。白山本峰や両白山地の山々もよく見えている。
奥金剛への登り | 奥金剛 |
奥金剛山頂標識 | 中金剛へと向かう |
なだらかな稜線を小ピークを越えながら進んでいくと今までより大きなピークの登りにかかり、今までよりもずっとでかく長い山頂を持つピークに到着。平坦なのでここが最高点だ!と言える地点はないが何やら標識が立ち「利賀川水源地」と書かれていた。利根川水源碑みたいなもんか。この標識の一面に「奥金剛」と書かれていた。低い笹、灌木、草の山頂で展望を邪魔するものはない。北側には最高峰の中金剛とそこに続く登山道が良く見えていた。
中金剛 | 良好な登山道が続く |
中金剛山頂。広場は無い | 中金剛の標識 |
中金剛から見た西側の展望(クリックで拡大) | |
中金剛から見た前金剛方面 |
中金剛への道も言うこと無しのよく手入れされた道が続く。1620m偽ピークを越えた先が本当の中金剛山頂。ここが金剛堂山最高峰で山名事典ではここを山頂としているが、ここにあるのは手製のささやかな標識のみで、一般的にはここは金剛堂山とされていないようだ。北側にはなにやら建物のようなものが見えるピークがあり、それが1637.9m三角点峰、一般的な金剛堂山山頂だろう。ちなみに山名事典には前金剛の記載はなく登っても登山数にカウントできないが、せっかくだから前金剛の山頂も踏んでおくことにする。標高差はほとんど無いし、僅かな距離なので踏まないのはもったいない。
奥のピークが前金剛 | 1630m小ピークの石碑 |
中金剛を振り返る | 前金剛山頂 |
前金剛の展望盤 | 前金剛から見た白木峰 |
前金剛から見た中金剛と白山(クリックで拡大) | |
前金剛から見た笈ヶ岳〜大門山(クリックで拡大) |
中金剛を下り始めた1630m小ピークには遭難慰霊碑らしき石碑があったが、もし遭難するとしたら積雪期だろうか。鞍部から登り切ると前金剛到着。こちらは広場があり花崗岩でできた三角屋根の大きな祠に展望盤、1等三角点があっていかにも山頂の雰囲気だ。たぶん大多数の登山者は栃谷コースを登ってここまででおしまいなのだろう。ここも森林限界を超えて大展望が楽しめる。これから車で向かう白木峰らしきなだらかな稜線も良く見える。まだ時刻が早いし今日は平日なので最後まで無人であった。
中金剛から奥金剛方面 | 登山口付近のブナ林 |
ブナ林中は背丈を越える笹 | 林道に戻る |
帰りは同じルートを下る。車に戻って東俣の峠まで車での所要時間を計ったら約5分で、昨夜はもっと長く運転していたように感じたが車だとさほどの時間はかからないようだ。本当はここから水無谷の林道に下り、国道471号線に入って白木峰登山口に向かいたいところだが、案内だと国道は県境付近で通行止めとのことで岐阜県側から富山に抜けられないようなので遠回りだが北側からアプローチするしかない。東俣谷沿いを下り栃谷登山口付近まで来れば舗装道路に変わり、やっと安心して運転できるようになった。